
研究テーマ掲示者インタビュー
匿名での研究テーマ掲示を経験して、感じたこととは?
今までの学会発表とは大きく異なるこの企画。研究テーマ掲示者として参加された3名に(第一回の中国地区編)、本事業実行委員の呉(株式会社union.a 編集者)がインタビューしました。
本申請の詳細
①
ポスタータイトル「私が追っている不思議(≒研究テーマ)」(47文字以内)
最大47文字のタイトルとは、「・・の考察」といった論文調ではなく世間のWEB記事見出しや、新聞記事タイトルのイメージです。論文調すぎなタイトル、専門用語が含まれたタイトルは、訴求力に欠けます。あなた自身が他分野の研究テーマでも「お。なんか面白そう」とそそられるのはどんなテーマでしょうか。ここにある研究テーマタイトル(京大学際センター公開資料より)を参考にしてみてください。
★なお、次の質問が「②みなに問いかけたい私のメッセージ」なので、タイトルには「・・・とは?」といったように問いかけじゃないほうがいいと思います。問いが重なっちゃうので。タイトルは体言止めのほうが全体バランスが良くなります。
ハッシュタグ3つ(こんな人とつながりたい)
研究タイトルの下に記載するもので、「こういう人(研究者)と対話、またはコラボしたい!」という人物像3つをご記入ください。なお、ハッシュタグの合計文字数が多い場合には、一番最初のタグのみ掲載とさせていただくなど、事務局にて調整させて頂ききます。ご了承を!
OKな例
#データいじりが好きな人、 #日本の古代文字が好きな人、#猫好き、#バイリンガル、etc
NGな例
#情報科学分野の人、#哲学、#中国の歴史
②
みなに問いかけたい私のメッセージ
(-150文字)
他者への問いかけ。これからしたいことや、今抱える苦労や難点等に関連させ、当企画の参加者に対して投げかけてみたい質問や、求めたいアドバイス、話し合いたいトピックを質問形式で記載(-150文字)
例)
「・・・についてどう思いますか?」
「一緒に・・・について考えませんか?」
「あなたの・・・、教えて下さい!」
「・・・にどんなイメージを持っていますか?」
★「ポスタータイトル」と、この「②問いかけたいこと」が、下記に記入いただく「③私がおっている不思議」の内容と整合されてないポスターをよくみかけます。問いかけが飛躍しすぎてない、今一度、確認を!
③
わたしが追っている「不思議」
(250-300文字)
あなたはどんな「不思議」を追っていますか? あなたの研究者としての核心にある問い(テーマ)を「不思議」の形でお書きください。例えば下記。
「あの思想家はあらゆることについて語っているのに、なぜ・・については一切触れていないのだろう?」
「あの物理現象は常識的に考えてありえない。なぜあんなことが起こるんだ?」
「こんなに解像度ある顕微鏡があるのにマイクロサイズの強度分析装置って、なぜ作れないのだろう?」
「なぜ人は行列に並ぶんだろう・・・」
「不思議」を書くということで、一般的な「研究紹介」や「研究テーマの説明」の体裁で無くなることがねらいです。研究紹介はどうしても専門よりになりがちですが、「不思議」は、専門化する手前の感情、思い、原感覚、原体験に根ざしています。研究紹介よりも、より余白があるというか、柔軟でオープンというか、読み手が質問しやすくなります。そうして、分野間の障壁を取り除くことがねらいです。
▶ 課題解決的なテーマの方へ
例えば「なぜその課題を人類は持ったのか」といったその課題の背景や歴史といった土台に着目するなど、そのテーマに潜む根源的な問い(不思議)に焦点を当てることで、書きやすくなるかと思います。
この3Questions企画では、課題”解決”の重要性はもとより、あなたがとりくみたい課題がなぜ「課題」として存在するのか? それを大勢に問いかけ、自分の問題意識、課題意識をより本質的に深めることをねらいとしています。くどいですが、今回のこの企画では、解決のための方法論的なHOWをたずねるのこともさることながら、「私はこれを問題と思う。あなたはどうか?」という感じで、あなた自身の研究テーマの方向性についてよきフィードバックを得る、ということが目的になります。
他にも、その問いに着目した個人的な経緯や背景について深掘りしてもいいかもしれません。あなたが、他でもない「その問題」を解決しようとしたのはなぜですか? あなたを突き動かすもの、そこにある「不思議、疑問」は何ですか?
▶ 自分はガチ自然科学でとても他分野、一般向けに書けない!という方へ
確かにこれまで多数のポスターをみてきて、あまりに専門用語を多用したもの、理解するのにあまりに前提条件が必要なものは、なかなか他分野に響きが与えられず付箋紙が少ないのもありました。ある年の企画後、とある物性物理研究者は「もっとわかりやすく書くべきだった」と反省しておられますが、それは違います。もちろん専門用語を使わないなどテクニカルな工夫はあるにせよ、「わかりやすく書く(伝える)」というのはサイエンスコミュニケーターの仕事であって研究者のそれではありません。研究者は、自身の研究テーマと社会との「接続」についてこそ話せばいいのです。これは断じて「役立つこと」「社会にとってのご利益」を書けといっているのではありません。
自分のテーマ(追っている不思議)は、人間なら誰しも不思議と感じるはずである! そういう確信のもと、自分が感じる面白さを伝えようとすればいいのです。繰り返しますが、研究内容ではなく、あなたが感じる研究の面白さ、醍醐味! ポスターの読み手が「なるほど詳しいことはわからないが、確かにこういう現象は不思議に思えるし、なんだかこういう不思議が自然界に存在することが興味深い」。このように思ってもらうことを目指しましょう。これが(個人の関心)と、(人間全体の関心)の接続ということです。
★重要★
これまでやってきた現在の研究テーマでなくても、「(自分の専門外なんだけど)ふとこういうこと思いついたんだけど、だれか一緒にやらない?」といった、これからやりたいことを募る形の(この指とまれ)の「不思議」も掲載可能です。そうして、面白がる人を募ってプロジェクトや共同研究が創出することねらっています。
④
これまでやってきたこと、やろうとしていること(250-300文字)
上記の「不思議」に関してこれまで何をやってきて、これから何をやろうとしているのか。
前例・類似研究にも軽く触れつつご自身の研究活動を記載してください。その問いの歴史的、学術的、今日的な意味と現在地の記述を。(250-300文字)
画像の提出
● 絵でも写真でも絵画でもCGでもOK。ただし、あくまで抽象的な「雰囲気を伝えるツカミの一枚」であって論文にのせる図表とは違います。なので、パワポスライドのようなポンチ絵やグラフはNGです。基本的に文章の記載も不可。文章が記載されてた場合、事務局にてトリミングや部分的削除などの処理をさせていただきます。
● なるだけ研究テーマと関連させた画像にしてください。「研究テーマとは一見関係ないが、実は裏ではこういうつながりがある」は、パッと見しかしない視聴者には伝わりません。
● 空や海とか、風景の写真がやたら多い傾向にあります笑 もっとひねりを!
● 画像には事務局のほうでポスター番号を挿入します(下図のポスター例参照)。
(サイズと重さ)
● A4横の形で、下部5cm程度を切り取り、タイトルとハッシュタグの掲載領域としてます。
事務局のほうで適宜トリミングしますので、とりあえずはA4横型の形状(縦横比率)で提出頂いてOKです。
● 画像提出前に、必ず、下記の画像圧縮サイトでファイルサイズが3MB以下であることを確認してから、提出してください。
→ 画像圧縮サイト https://squoosh.app/ (このサイトの使い方はこちらを参照)このサイトにて、圧縮率よりも画像サイズを変更したほうが(例えば幅(width)を1000以下に)、より効果的にサイズを減らせます。
● ファイル名をお名前(ローマ字で名字と名前の順で間に_を)にしてください。例:yamada_taro.jpg
【注意】画像における使用責任は投稿者に依拠するとし、著名人や漫画キャラクター等の使用については肖像権・著作権にご注意ください。
★ 画像のUPロード先は、下記の本申請フォーム内にあります

申請に関するFAQ
2025/03/10記載 (必要に応じて、順次追記)
Q1. 申請できる研究テーマは一つだけですか?
はい。研究者1名につき1つとさせていただいております。
Q2. ポスターの前での発表はナシですか?
はい。ポスターの前に立って発表いただく必要はありません。3Min.プレゼンは、会場中央のグループセッションエリアで行います。プレゼン資料は、掲示頂いたポスターですので、プレゼン用に何か資料をご用意いただく必要はありません。
Q3. ずっと会場にいないといけないのですか?
いいえ。期間中、いつでもご都合のよいときにお立ち寄りください。ご自身のポスターに貼られた付箋紙を読み、また、他の研究ポスターにぜひともコメントを残し、対話を楽しんでいただければと思います。
なお、研究ポスターを申請し、プレゼンの日程も決めたものの、どうしても都合により会場に出向くことができなくなった場合もあるかと思いますが、それは致し方なしと考えております。
Q4. たくさん付箋紙が付くポスターとつかない付箋紙があるのではないかと不安なのですが。
これは悩ましい質問ですが、一つは、やはり専門性の深度に依存すると思われます。あまりに細かな問いは、他分野にはその背景がつかみにくいので、なかなか響くことは難しい。ですので、少しメタな視点にて、抽象度をあげてあなたのテーマの「問い」をお書きになるといいかと思われます。
または、その研究テーマの(問い)を生んだ動機のほう、まさに、その研究テーマをやるに至った最初の「不思議」について書くことで共感を呼びやすいと思われます。その「不思議」は、専門分化する手前の感情とも言え、それゆえに、分野や組織を超えて響くことが多々あります。
Q5. 申請内容はこのテーマでよいか、相談したいです。
はい、よろこんで! 事前申し込みフォームに相談のための欄がありますので、相談事項をご記入ください。
Q6. 事前エントリーし、本申請に申し込みました。採択の結果はいつ来ますか?
100名先着制なので、事前エントリー頂き、100名に達していなければ、即採択となります。
ただし、本ページに下記のように記載しているとおり、
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本事業では、掲載審査なしに先着順にてポスターの投稿を受け付けますが、国際高等研究所「持続可能でレジリエントな社会実現に向けた学際共創の方法の開発と実践研究」通称;学際推進委員会にて、科研費等の公的な研究助成金の在り方を念頭におきつつ学術として不適切と思われる内容、画像と判断された場合は、掲載不可の通知をさせていただきます。
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という点は、ご了承ください。
Q7. 共同研究者はどう列挙したらいいですか?
今回の企画は匿名制にて、研究ポスターには研究者の記名はありません。ただ、企画後に作成する冊子には、代表者1名のお名前とご所属を記載することになってます。(紙面上のスペース的に、1名しか載せられない)
なお、その場合、共同研究者がいることを表現するために、例えば、山田太郎、他。といったように記載しようかと思っております。
Q8. この企画にポスター掲示したことは業績になりますか?
それは、研究テーマを申請いただいた御本人のお考えによるかと思いますが、研究ポスターを掲示し、プレゼンをしたことは事実ですので、業績欄に「全国3Questionsー◯◯地区編ー 2025年◯月◯日(会場:◯◯大学百周年時計台記念館2F)にて演題「◯◯◯」ポスター発表」という記載はできると思います。なお、企画後に作成する冊子には、ポスター掲示者のお名前、ご所属なども掲載する計画です。ただし、よくある学会講演集のようなフォーマットではなく、もっとポップで思わず誰でもが読んでみたくなるような雑誌のようなものにしたいと考えていますので、その点は、ご了承ください。